【物語】0回目 師事

悩めるスポーツ選手、吉田が、読書家の佐々木を訪ねるところからこの物語はスタートします。

プロローグはこちら

 

さて、佐々木は一体どんなことを教えてくれるのか。

 

↓  ↓

 

~~~

 

いつもの食堂のいつもの場所に、いつものように佐々木はいた。

これまたいつものように、いつも読んでいる本かどうかは分からないが、とにかく本を読んで座っていた。

 

良かった、佐々木はいた。

安堵しながら、吉田は、あくまで偶然を装って声をかけた。

 

「よっ!」

 

佐々木は、ふと視線を上げ、温かい笑みを浮かべながら答えた。

「あ、吉田君。こんにちは。」

 

正直、吉田は佐々木があまり得意ではない。

中学時代はそうでもなかったが、高校に入学した時くらいから、いつもこの調子で、笑顔で対応される。

 

いつも笑顔な佐々木を最初は気味が悪く思ったりしたが、だからと言って何か害があるわけでもないし、そこまで関わり合う事もなかったので、いつの間にか気に留めなくなった。

 

しかし、逆に関わることもなかったため、どうもこの距離感が苦手だった。

 

一緒に飲みに行ったりもしたことがない。

逆に言うと、飲みに行ける仲なら、たまには飲みにでも・・・という風に誘ってから相談すれば良いとも思った。しかし、どうも佐々木はお酒を飲めないらしいという噂を聞いたことがあった為、そうして酒の力を借りるという事も出来そうにない。

 

そこで、思い切って今日ここで声をかけたのだが、その結果出た言葉が

「よっ!」である。

その後の言葉を紡ぐ前に、佐々木に笑顔で挨拶を先にされてしまう。

 

この一言からもわかるように、吉田はあまり人づきあいが得意ではない。

ある程度、体育会的なノリはついて行けるが、だからと言って、別にそんなに体育会のノリが好きなわけでもない。

だから、佐々木に会うために食堂にやってきたものの、どんな風に声をかけていいのか分からず、とりあえずの間に合わせのような声掛けをしてしまった。

 

 

「どうしたの?」

 

佐々木はなおも変わらぬ笑顔で、吉田に問いかけた。

 

大學に入ってからは、佐々木と吉田はほとんど会話らしい会話はしたことがなかった。

構内で会っても、軽く会釈くらいの仲だったのに、今日は珍しく声をかけてきた吉田に、佐々木は不思議な気持ち半分、そして懐かしく嬉しい気持ち半分だった。

 

 

さて、ここからは基本的に吉田と佐々木の会話形式で物語を進めていきます。

ぜひ、吉田と同じように佐々木の言に、“素直に”耳を傾けてみてください。

 

 

 

吉田「俺に、本を教えてくれないか?佐々木、ずっと本好きだったよな?」

 

 

佐々木「うん、良いよ。でも急にどうしたの?」

 

 

吉田「いや、実はさ、俺、まだ部活やってるんだけど、なかなか結果出せなくてさ。高校の時は、佐々木も知ってると思うけど、まぁまぁな選手だったんだけど、段々段々結果出せなくなっちゃってさ。」

 

佐々木「うんうん。」

 

吉田「それで、やっぱり一流の人って本読むって聞くじゃん。だから、オレも読んでみようかなって思って。だけど、何から読んでいいのか分かんなくて、それで佐々木が本好きだったの思い出してさ」

 

佐々木「なるほど。そういう事だったんだね。思い出してくれてありがとう。スポーツのことは役に立てないけど、それなら、何かお手伝いできるかもしれないね。」

 

吉田「おお、ありがとう。で、早速なんだけどどんな本読んだらいいんだ?」

 

佐々木「普段は本は全く読まない?」

 

吉田「うーん、ほとんど読まない。でも、本読もうと思って、メンタルトレーニングとか、スポーツ選手の書いた自伝みたいな本とか、そういうのは読んだかな。」

 

佐々木「そっかそっか。それは良いね。で、その本の内容はどんなのだった?」

 

吉田「え?いや、なんて言うか、難しいメンタルトレーニングとか、あとは、スポーツ選手の本なら、その本かいた人の生い立ちとか・・・。」

 

佐々木「うんうん。それで?」

 

吉田「よく覚えてないや。そんな感じで、とにかく、読んでも全然意味ないなって感じ。だから、もっと分かりやすくていい本があるんじゃないかなって思って。それで佐々木に聞きに来たんだ。」

 

佐々木「なるほどね。なら、1つ提案があるんだ。」

 

吉田「なに?どんな本?」

 

佐々木「ううん、新しい本じゃなくて、そのスポーツ選手の書いた本で良いから、もう一度読んでみること。それで、内容を僕にしっかり話せるようになったら、またこうして話に来て、教えてよ。」

 

吉田「え?いや、だから、その本読んでも意味なかったんだって。しかも一応ちゃんと一回読んだし。」

 

佐々木「あのね、僕が実は本を読む時に決めてるのが、良い本は何度も読むってことなんだ。」

 

吉田「なんで?」

 

佐々木「何度も読んでると、まるでその考えが、最初から自分の考えだったかのように自然となってくるんだ。だから、それってすごく大切なんだと思ってるの。それで、そうやって学んだことを人に伝えようと思って読むと、もっと頭に入りやすいから、だから僕にその本のことを教えるつもりで読んでみて欲しいんだ。」

 

吉田「でもさ、その本読んでも、得られるものがなかったというか、どうせなら別の本でも良いかなって思うんだけど。だから佐々木にこうして教えてもらおうとしてるわけだし。」

 

佐々木「うん、わかるよ。だけどね吉田君、それはきっといい本だから、せめてもう一度だけでも読んでみるといいよ。だって、その本書いた人って吉田君のスポーツでは一流の人なんでしょ?」

 

吉田「うん、すごい人だよ。オリンピックなんかでも活躍してるし。でも、最近はテレビとかによく出てて、それで調子に乗って本とかも出したんじゃないかなって、そんな感じ。そんな事せずにちゃんと練習しろよって思うけどね。色んなとこからお金もらってるんだろうからさ。」

 

佐々木「そっかそっか。それで、吉田君はその選手と試合したことはあるの?」

 

吉田「いや、ないよ。なんで?」

 

佐々木「じゃあもし試合したら、勝てるかな?」

 

吉田「そりゃ無理だろ。勝てたら今すぐオリンピック出れるし、こんな風に悩んだりしないし。でも、それがどう関係するの?」

 

佐々木「あのね、今、吉田君は、その選手のこと悪く言ったよね。それで、吉田君はどうやってもその選手に勝てないっていうのも分かってる。これって妬みとかひがみだよね。」

 

吉田「え?いや、別にそんなつもりじゃないんだけど、だって・・・」

 

佐々木「吉田君がそのつもりじゃなくても、僕は聞いていてそう感じたよ。」

 

吉田「ん、まぁ佐々木がそう感じたならそうなのかもな。でも、だからってそれが何なの?普通、自分より強い相手のことは認めれないじゃん。負けを認めたみたいでイヤだし。」

 

佐々木「そうだね。でも、吉田君はその人の本を買った。それって、『ここに何かヒントがあるかも』って思ったんだよね。」

 

吉田「そうだよ。だけどあんまりだったんだって。」

 

佐々木「その本には何か、技術的なこととかも書いてるの?」

 

吉田「まぁ少しはね。だけど、結局あの人だからできることばっかりで、俺とはプレースタイルも違うしさ。」

 

佐々木「実は、そこなんだよ。その自分とは違うプレースタイルとか、考えの中にヒントがあるんだよ。でも、吉田君は自らそれを遠ざけてる。」

 

吉田「何となくわかるけど、でも、やっぱり受け入れられないものは受け入れられないよ。」

 

佐々木「それは受け入れる準備が出来ていないからなんだよ。」

 

吉田「どういうこと?」

 

 

~~~

 

 

佐々木の言う

“受け入れる準備”とは、どういうことなのか。

 

次回【1回目 素直】へ続きます。

【物語】プロローグ

プロローグ 

 

吉田青年は、悩んでいた。

彼は大学3年生。スポーツ特待生として、有名大学に進学。21歳。身長166センチ。体重65キロ。体脂肪率7%。恵まれた体格とは言えないが、高校生の時、インターハイ(全国大会)で6位入賞を果たす。

それがきっかけで、現在の大学の部の監督にスカウトされ、今に至る。

 

そんな経歴はさておき、彼は悩んでいた。

 

何に悩んでいるのかと言うと、もちろん、彼の競技スポーツについてだ。

彼は、実は大学に入学してから、一度も大会で成績を残せていなかった。

そう、一度も。インターハイ入賞という華々しい経歴を持ち、期待されて入学したにも関わらず、成績を残せない。

それどころか、年々悪くなるばかり。

 

吉田は、非常な努力家で、人の3倍は練習をしているような真面目な選手だった。

それなのに、周りにどんどん追い抜かれてゆく。

その現状をどうすればいいのか、彼は入学してしばらく結果が出ずにいるとき以来、ずっと悩み続けている。

 

競技生活も残り1年を切り、焦る中で、彼はあることを決意した。

何を決意したのか。

それは、人に相談をする、そんな簡単なことの決意だ。

だが、彼にとって、この決意は簡単ではなかった。

何故なら、彼は非常に頑固だからだ。

人の倍以上努力しているんだから、いつかきっと報われる。そう信じ続けていた。

だから、人に相談をすることはなかった。

競技自体でも、具体的な技術などのアドバイスは、自分の信念がある為に、中々素直に聞く方ではなかった。

 

そんな彼が、もう自分では解決できないところまで悩んで、ついに決意した。

そこで相談相手に選んだのが、佐々木青年だ。

佐々木青年と吉田は、実は中学、高校と同じクラスで6年間を共にした。

 

そして、そのまま同じ大学に入学した。

しかし、佐々木は何かスポーツで素晴らしい成績を収めているというわけではなかった。

むしろ、100メートルを20秒はかかるというくらい、スポーツが苦手な青年だ。

彼は、一般入試で吉田と同じ大学に入学していた。

 

一見すると、スポーツの相談をするのに、これほどふさわしくない相手を探すのもなかなか難しいと言わざるを得ない人物であるようにも思える。

しかも、中学、高校と6年間を共にしていながら、吉田は佐々木のことをそれほど深くは知らない。

一緒に遊んだこともなければ、趣味の話をしたこともない。

会えば挨拶はする、そのくらいの仲だ。

 

しかし、それでも吉田は、相談相手に佐々木を選んだ。

何故なら、吉田は、佐々木が中学の頃からずっとあることをしていたのを知っていたからだ。

そして、それは吉田が今までしたことのない行為だったからだ。

 

その行為とは、読書である。

 

吉田は、自分の考えだけでは限界があると思い、世の中でよく言われるような「悩んだときは読書をしなさい」という言葉をついに受け入れ、読書をしようと考えた。

しかし、何から読んでよいのか、さっぱりわからない。

メンタルトレーニングの本やなんかは一通り読んだ。だけど、どうにも難しい。

 

そんな時に思い出したのが、学生時代、暇さえあればずっと難しそうな本を読んでいた佐々木の存在だ。

 

佐々木ならきっと、自分の悩みにピッタリな本を紹介してくれるはず。

そんな軽い気持ちで相談に行こうと決意したのだ。

 

佐々木のいる場所は知っている。

大學に入ってからも、お昼時はいつも、食堂の隅のテーブルで本を読んでいる。

 

さぁ、佐々木、俺はどうしたら結果が残せるんだ。そのヒントになる本を教えてくれ。

 

そんな気持ちを持ち、吉田は12月の寒空の元へ、勢いよく飛び出した。

 

 

 

さて、本章に入る前に、この物語の説明をしておきます。

 

この物語は、今、スポーツに悩んでいる全ての方に読んで欲しい物語です。

特に、大学生や高校生に読んでいただき、何か悩みを解決するヒントを与えられればと、そう願って執筆しています。

 

この物語は、スポーツに悩む吉田青年が、読書好きの佐々木青年を訪ねるところからはじまります。そして、どんどん複雑になる吉田青年の悩みを、佐々木青年が根気強くヒントを与えることで、吉田青年自身が解決できるように導く、という物語になっています。

 

ところで、吉田青年の競技スポーツが何なのか、それはこの物語の本質とはあまり関係がないので、ご想像にお任せします。

あなたの競技に当てはめて、自由に想像しながら、吉田の身になったつもりで佐々木の言に耳を傾けてみてください。

 

そして、佐々木の言葉、知恵の中から、何かヒントを見つけ出していただければ、これほど幸せなことはありません。

 

先に断っておきますが、この物語を読んでも、競技力は上がりません。

だけど、競技力を上げるために必要な道具である、あなたの心の状態を良くするためのヒントは、沢山与えられるように、用意してあります。

心が道具?何のこと?

と思った方は、ぜひ本章で佐々木の言葉に素直に耳を傾けてみてください。

あなたの人生観が、変わるかもしれませんよ。

 

本章で語られる佐々木の知恵は、全て先人から学んだことです。

先人からの言葉には、沢山の生きるためのヒントが詰まっています。

 

あとは、あなたのそのステキな感性で、沢山のヒントを受け、その知恵を使い、さらに磨きぬいてみてくださいね。

「今、スポーツに悩むすべての人に読んで欲しい物語」スタートします

こんにちは、だいちゃんです☆

 

今日から、2人の人物の対話形式の物語を書いていきます。

物語を通して、スポーツ、そしてそれを通じて大切なことに気づくために必要だと感じていることを、よい身近に感じて頂けるようにお伝えできればと思います。

 

お時間のある方はぜひお付き合いいただけますと幸いです。

 

もちろん、今まで通り、通常の記事も書いていきます。

 

では、ある2人の青年の物語をスタートします。

 

まずは、人物の背景など設定も含め、プロローグからお付き合いください。

 

 【プロローグ】はこちら

勝ち負け

こんにちは、だいちゃんです☆


今日のテーマは『勝ち負け』です。


試合とは
読んで字のごとく
『試し合う』

つまり、自分の磨いた技を
試し合うことです。

そこで勝負をする。
勝負というからには
勝ち負けが必然的に生まれます。

『勝負』という言葉は
非常にいい言葉で
例えばこれが
『優劣』
であれば、一方が優れていて
またもう一方は、劣っている

こういう意味になってしまいます。


しかし、スポーツの世界では
『勝負』
という言葉を主に使います。

これは非常に良いことだと思うんです。


何故なら、
お互いの技はどちらも十分優れている

けれども、
今回は諸々の条件が整い、こちらの勝ち。

と、こういう意味になってくるからです。


これが『優劣』であれば

こちらの技が優っていて、こちらの技が劣っている
だからこちらの勝ち

と、こうなってしまいます。


それでは、
競技経験が10年の選手と
今日始めたばかりの選手では

試合ができなくなってしまいます。

10年分の経験と
今日始めたばかりの数時間の経験で

試し合うんです。

その時、必然的に技のバリエーションも
精度も10年選手の方が優れています。

今日始めたばかりの選手は、もちろん
劣っています。

だけど、それはお互いに
相手の選手に比べて優れている、劣っているというだけの話です。

本来、自己の向上の為の手段の一つであるのが
スポーツなのですから
『自分』というものとしか比べてはいけないんです。


この『今までの自分』と比べて
上達したのか、または反省があるのか

それを見いだすために
お互いに試し合う、それが試合です。


10年選手は、相手を見下す、傲る気持ちが出ないのか。
始めたての選手は、必要以上の恐怖を感じたりしないか。


そんな、心の成長の確認をするためにも


スポーツをする際は
『勝負』ということにこだわっていければな

と、そう思います。

みんなが優れているんです。
間違いはないんです。


だから、自信を持って
試し合ってくださいね。

今日の話がいつか誰かのお役に立てれば幸いです。

感謝してます。

プライオリティ

こんにちは、だいちゃんです☆

今日のテーマは『プライオリティ』です。


プライオリティとは、優先権。


つまり、今日の話題はW杯です。

バス回しで、リスクを回避しながら
他力本願で決勝進出を決めるなんて
日本のサッカーはフェアプレーじゃない


そんな声があるそうですが


そういう声が出るのもわかります。


けど、一個考えてみたいことがあって


相手にも、別にそのパス回しのボールを奪うことにチャレンジする機会は

平等に与えられているんですよね。

だとすると、お互いの戦術の違い
というだけで、全くもってフェアな戦いです。


たまたま、日本が先の試合で
プライオリティを得ていただけです。



例えば、ディズニーランドでファストパスを取ったお客さんが、優先順路を通ってアトラクションに乗るのを

「あいつは全くフェアじゃない」

なんて、いちいち普通の列に並んでいる人は言いませんよね。

だって、そのファストパスを取るために
早くから計画を練って、効率よくアトラクションを廻ってるんだから。


それはフェアですよね。


それなのに

それなのにです。


それをたまたまテレビで見ていた人が
『あ、あの人!ファストパスを使ってる!おかしいよ!フェアじゃないよ!並んでる人に失礼だ!一生懸命並ぶべきだ!』


……この発言自体がおかしいですよね(笑)


これに対して
ファストパスを使う決断が、必要だったんです。アトラクションに乗るという結果が大切なので。』


こんな事を言わされてるお客さんがテレビに出てたら
『あー、心ない周りの人のせいで、必要のない謝罪じみたことまで言わされて。しかも、ディズニーライブを楽しんでる最中に、こんなストレスまで与えられて…かわいそうに』

と思いますよね。


これと全く同じ事が起きている

それが今回の試合に対する一部の方の反応、報道です。



非難したいわけではなく
もっと純粋に、お互いがワクワクするような

そんな声のかけ方をしていける。


そういう世の中が早くくることを心から祈りたい、そんな気持ちになりました。


たまに、自分が今しているのは
他のことに置き換えたらどんなことだろう…


そんな風に客観的に見てみると
こういう間違いが減ってくるのではないかな

と、そう思います。


今日の話がいつか誰かのお役に立てれば幸いです。
感謝してます。

苦しさの先にあるもの

こんにちは、だいちゃんです☆

今日のテーマは『苦しさの先にあるもの』です。


なんだか、苦しい思いをすれば
それで未来に希望を持てるような

そんな風潮が

というよりも
そう思っていた方がいいような
周りにも認められるような

そんな風潮があります。

それは、最近では少しずつなくなってはきていますが
スポーツの現場では

未だにそう思っている

というよりも、思い込まされている選手が
多いのではないでしょうか。

これは日本特有のものなのかどうかはわかりませんが、日本人らしい考え方です。


農耕民族である日本人は、耐えることに馴れています。
耐えれば、米が実る。
だから、米ができるまでは何があっても耐えきる。

だけど、それと苦しさとは
関係がないような気がします。

なぜなら、米を作ることは
きっと苦しさとは別物だったはず。


自分が食べるために、
家族を食べさせるために、
自分の村を守るために


一瞬一瞬、全力で
田んぼに、稲に、米に向き合ってきた。


今と違って、少しでも手抜きをしようものなら
すぐに気候の変化や虫にやられてしまいます。

だから、全力を尽くし続けたのです。

その結果、時がくれば米が実り
一層の幸せを感じることができる。


では、米を作っているときは
幸せではなかったのかというと
本人が感じているかどうかは別として
それは幸せなことだったはずです。

だって、無心で米に向き合うということは

ある意味で空の世界にいっているのと同じ

つまり、天とひとつになっていることだから。


そんな雑念、妄念のない人間には
人智を越えた力が働き、それはそれは仕事もはかどったことでしょう。

その状態が苦しいわけがないんです。

いえ、苦しくなれるわけがないんです。


そこに、年貢やら何やらと
そういった制度ができて
自分が納得していないものの為に働くようになると

そこに『不平、不満』というものが沸き上がります。

そうすると、せっかく繋がっていた天との繋がりを絶つことになります。


その結果、不幸が訪れる。


…と、こうなってるんです。



さて、本題です。

あ、本題の前に、例題です(笑)

ここに、大きな木になる前の若木が1本あるとします。


この木は、大きくなる為に、
必死で頑張っているでしょうか?


若木は、大きくなることなど望んでいません。

だけど、若木はいつか立派な大木になります。


それは何故か。
若木は望まなくても、天がそれを望んでいるからです。
天という言葉がわかりずらいので、命に置き換えてみましょう。

命が望んでいる。
その命とは、若木の命だけではなく、命全体のこと。
つまり、若木を生かしている見えない力のことです。


それは、若木の中にもありますが、この世の中の全てのものに存在しています。
空気にも、水にも、私たちにも。
そして、それは元は1つのものなんです。


若木は、そもそも
『俺は若木だ』
なんて思ってもみてないことでしょう。

だから、『俺は大木になるんだ』
なんてことも思わない。


だけど、この世のものは全ていい方向にいくようになっているのですから

黙っていても若木は大木に育ちます。



………と、例題はここまで。

では本題。

本題が1番短いんですけど(笑)

ここまで読むと


「あれ?じゃあ何で私はスポーツで勝てないの?全てはいい方向へ向かうのが自然の摂理なら、何故私の競技力はあがらないの?」

なんて思う方もいるかもしれません。

もっともです。
若木には通用するけど人間には通用しないなんてことはありません。

そこで、一つ覚えておいて頂きたいのは

『自然の摂理、法則は、情状酌量の余地を持たない』

ということです。

これは決して冷たいわけではなく
むしろ愛に溢れています。

例えば、あなたにどんな理由があろうと
人を傷つけていたり、バカにしたり、迷惑をかけたり

そんなことをしていたら
一時はうまくいったように見えても、必ず天はあなたとの繋がりを断ちます。

天が絶つというよりも、あなたが背いただけですが。


逆に、あなたが人に親切にして、いつも明るくて、和やかで、人の役に立つなら、天はあなたを放っておきません。

必ず、あなたを自然の摂理に沿っていい方向へ向かわせてくれるでしょう。


それで、もしも本当にどうしても競技力が上がらないのであれば
それはその方があなたにとって最良の結果をもたらすからです。


だから、自分ではそんな天とつながる生き方をしていると思っても、もしも何か苦しさを感じるなら


何かが間違っています。


天は情状酌量の余地はないので
いい人を放っておきません。
悪い人も放っておきません。


苦しさの先には、我慢の先には、恨みしか生まれません。


だから、今もし何か苦しいのなら

何かを変えなさいというサインだと思って
考えてみてください。


当初話そうとしていたのは
「今、ここ」にあること
だったのですが、ちょっとずれてしまいました。

それはまた今度お話しします。

今日の話がいつか誰かのお役に立てれば幸いです。
感謝してます。

使い方

こんにちは、だいちゃんです☆

 

今日のテーマは『使い方』です。

 

何の使い方かというと、

 

『身体』

 

です。

 

いつもいつも、精神的な方面の話が多いので

 

たまには身体的な方も触れておきます。

 

 

肉体方面を忘れて、スポーツはできません。

 

だけど、あまりにも肉体の方面にばかり気を取られている人の割合が多いので

いつも心の問題に触れています。

 

肉体と心、両方を上手く使えるようになれば

鬼に金棒以上の結果が得られるはずです。

 

 

身体、肉体を使うと言っても

 

別に

ここでこう動く

とか

こういう時は、腕のここに力を入れる

とか

こういう感覚で動く

とか

 

そういうものではありません。

 

 

そういうのは、正直わかりません。

何故かというと、それには流行りがあったりするからです。

 

その競技によっても違うし

その国や、地域によってさまざまです。

 

だから、どれが正解というわけではなく

 

どれも正解

 

というのが正しいのかなと思います。

 

その中で自分に合ったプレーを探して行く。

 

それもスポーツの一つの楽しみかなと思います。

 

・・・・・

 

と、まぁここで終わってしまっては何の意味もない話になってしまいますので

 

具体的にどうやってその自分に合った

正解を見つけるのか。

 

これは簡単です。

 

 

見つける必要がなく

それはもうすでに、自分の身体が知っています。

 

例えば、歩くとき、

一体自分はどんな風に歩いているのか。


物を見るとき、どんな風に見ているのか。

 

右足を動かすとき、どの筋肉から順番に動いているのか。


どんな癖があるのか。



意識してみてください。



日常生活で、あなたが無意識にやっている動きが


1番無理のない、動きです。


無理がない、ということは

無駄がない


ということ。


無駄がない、ということは

理にかなっている


ということ。



理にかなっている、ということは

天とひとつ


ということ。



天とひとつの状態とは


空の状態ということ。


空とは全ての力の源、

人はそれぞれに


神と呼んだり

エスと呼んだり

宇宙霊と呼んだり

スピリットと呼んだり…


ちなみに、スピリットが入り込むから

インスピレーション

と、ある気付きを呼んだりしますね。  



インスピレーションを受け続けてプレーするなら

どんな時も怖くないですよね。




結局、何が言いたいのかというと



常に、はっきりとした意識で身体を動かすということ。


今、自分が何をしているのか

それを意識し続けて、第三者の目で見る意識を癖づけること。


それが、身体をうまく使うための第一歩です。



今日のお話がいつか誰かのお役に立てれば幸いです。


感謝してます。